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2017年01月24日

ハドソン川の奇跡

すごく何年ぶりかで新文芸坐に行った
『ハドソン川の奇跡』と『トランボ』の2本立て興行。
2本立て興行そのものもだいぶ久しぶりだ。
昔の文芸座で観た『ミッドナイトラン』とか忘れられない。

さて『ハドソン川の奇跡』だが、クリスマスシーズンとかに夫婦で観るには最高!という感じの軽さが実に良かった。

実際、前半でトムハンクス演じる主人公が見る幻影などに首を傾げる部分もなくはないのだが、映画全体を覆った軽さが、深く追求する気にさせない。

特にいいのは話の締め括りで、割とどんな職業にもありがちな“そんなに言うならお前がやれ”的な、話に着地するところ。
大きな事件を小さく着地させてシルバー世代から若者まで共感させる、映画自体のセンスがいい、としか言いようがない


2本立て興行でこれの後に観たのが『トランボ』で、これは最初の20分くらい観たところで退席した。
『トランボ』には悪いがイーストウッド映画の後だとだいぶ見劣りする。主演男優に賞を取らせたいための企画なんだかわからないが、1940年代の実在のスターを登場させておきながら、演じる俳優たちに愛情がない。ジョン・ウェインより、『ブレイキングバッド』の主演男優の方が現代では有名なんだろうか?

ま、そのうちアマゾンプライムとかで続きを観るかもしれないけど、今のところ、この映画の続きは全く気にならない。

そんなわけで久しぶりの2本立て興行を堪能致しました笑






posted by となーす at 16:54| Comment(0) | TrackBack(0) | クリント・イーストウッド作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月31日

グラントリノ(日本語吹き替え版)

以前もこの作品の感想を書いたが、随分と間を置いて2回目の鑑賞をしたら
すげえ良かったので再投稿。
前半のアジア人の隣人たちとの交流をギャグで多いに笑わせて後半のシリアスな展開もテンポ良く見せながら感動させる、いや見事だった


日本語吹き替え版で観たのだが
イーストウッドを吹き替えているのがなんと滝田裕介で、このキャスティングによるところも大きい
吹き替え版洋画の名作『ジョーズ』で主演のロイシャイダーを演じた人だ
『ジョーズ』も、吹き替え版を観たあとはオリジナルの方が違和感を感じるくらいの名作だが、この『グラントリノ』もそれに匹敵するくらいの出来だった

今でこそイーストウッドと言えば吹き替えは山田康雄しか考えられない、などと言う人も多いが、20年も前はみんな違和感を持っていたものだ
ダーティハリーはルパンじゃない、と笑
山田康雄の吹き替えは作品のテーマとかと関係なしにいつも山田節だ、というところがある


あの頃は声優さんもいまよりだいぶ少なかったし、役に合わせて吹き替えをやる、というよりはとにかくこなす、という感じだったのだと思う、テレビでサクっと観れるエンタメ作品以外のシリアスな映画は吹き替えだとイマイチな作品も多い、これは山田康雄だけに限らないのだが。
イーストウッド作品でも『サンダーボルト』などは山田吹き替えが作品にまるで合ってないと思っている



それはそうと、イーストウッド映画というのはドラマが分かりやすい。
テレビでイーストウッドの映画が何度も放送されるのは、単純に途中から鑑賞しても分かりやすいからだ、というのが今作を観て改めて分かった

この分かりやすさの上に声優さんたちの自由な表現が乗っかっていたのだという気がする

今回も途中から見始めたのに、最後まで観るのをやめられなかった笑

特に気に入ったのがあの場面。
ポーチでコーヒーを飲みながら主人公が向かいの家の前で買い物袋を落とした老婆を眺めていると、三人のガキどもが通りがかる
結論としてこの場面は「まったく最近のガキどもはろくなのがいねえ」ということを描くのだが、
その、当のガキどもがやらかすことが面白い。見ながらムカついている主人公本人にも彼らと同じような下衆いところがある、というのがミソ、で、今作でも屈指の名シーンだった笑
これから先も何度か思い出し笑いのタネになってくれるに違いない

あとは、後半で主人公が覚悟を決めたあとに行う行動がいい。
床屋で普段は剃らない髭を奮発して剃らせる、とか、スーツを生まれて初めてオーダーメイドするとか、
こういう優しい視線が本当に素晴らしい。

前回書いたブログ記事は謹んで全撤回させていただきます笑

名作でした












posted by となーす at 09:02| Comment(0) | TrackBack(0) | クリント・イーストウッド作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月14日

となーす映画評「インビクタス 負けざる者たち」

私はてっきり、
イーストウッドの描く“不条理な暴力と個人との戦い”の映画は
『ミスティック・リバー』『硫黄島からの手紙』を経て、そして
『チェンジリング』の感動的なラストカットで終止符を打ったのだと思っていた。

違った。
まだ続きがあったのである。
それが新作『インビクタス 負けざる者たち』だ。

この映画は素晴らしい。
しかし、出来得ることなら上に挙げた三作品を観てから観ることをおすすめする。

『インビクタス 負けざる者たち』は、そのまま観ても良い映画、なのだが、
これ一本だけを観ると“説教臭い”と受け取られる可能性も大きい。

イーストウッドはこの何年かで自分が作ってきた映画を“踏まえた上で”この映画を作っている。これは間違いない。
そして、
その上で、私たちがこれまで映画で目にしたこともない“最上級の人間賛歌”を奏でてみせるのである。

何度もこのブログでは書いているが、
現在、最も偉大な映画作家、トップランナーは誰かといえば、これはもうぶっちぎりでクリント・イーストウッドただひとりなのである。
映画という芸術の質はイーストウッドが新作を撮る毎にだれも踏み入ったことのない高みに上っていく。
イーストウッドの新作は必ず観るべきだ、と私が言うのは、
映画芸術が更新されてゆく様を目のあたりに出来るなんて幸福は、まあ、そうそうないからだ。
彼の新作が見れる私たちは
本当に言葉では言い表わせないほど幸せな時代にいる。
(今、日本では年間3万人も自殺者がいると言うが、私には信じられない。こんな幸せな時代は、こと映画界においては2度と来ない。自殺なんかしてる場合じゃない。)


さて内容は、というと
南アで初の黒人大統領が生まれるところから映画は幕を開ける。

私は、このオープ二ングを見て、即座に、
『なるほど、“個人を襲う不条理な暴力”の集大成は、たしかに人種差別だ。』と思い、
そこから黒人大統領の苦難の歴史が描かれるのだな、
いつもの“イーストウッド節”が始まるんだな。
などと、映画通な“したり顔”で観始めたものだ。

しかし、これは“罠”であることがのちに判明する。

こちらの予測を見透したように、
次のシーンで、早朝、マンデラが護衛を連れてマラソンに出ると、怪しい車が後をつけてくる。

車がマンデラの傍を通過する。

機銃か何かで一斉に銃撃されるのか、と思いきや…。




映画が始まって早々の
この、イーストウッドの“罠”が実に良い。
今までのイーストウッド映画を踏まえた上での、「すかし」

そして、この映画は、ここから先、
今までのイーストウッドでは考えられぬやり方で男の戦いを描いていくのである。
これまでの彼の映画が、理不尽な運命という絵筆で世界を描いたものだとするならば、
この映画ではすべての瞬間を
「許し」と「愛」で世界を書き付ける。

政治犯として35年刑務所で服役していたネルソン・マンデラは、
言ってみれば理不尽な運命を戦いぬいた男。
銃撃も暴力もまったく通じない男なのだ。

そんな男の戦いを描くのに、脅迫や、銃撃戦などレべルが低い。

故にこの映画には脅迫も、銃撃戦も登場しない。

では
マンデラの戦いとはなんだろうか?

南アの弱小ラグビーチームをワールドカップで優勝に導くこと。
そして白人も黒人も一緒に一体となって自国チームを応援すること。
祖国がひとつになること。

と、まあ、こういう話なのである。


ワールド力ップの優勝決定戦が映画のクライマックスになるが、
試合終了前4分のスローモーションと
マンデラが獄中で過ごした35年。
この時間の対比が実に素晴らしい。

私は、
ひょっとしたらイーストウッドのこれが最後の作品かもしれない、とすら思っている。
彼は全てを描ききった。
これまで巨匠と言われた映画監督たちが言い残してきたこと、到達できなかったことをこの映画で全て成し遂げたように思う。

ラストカットは今回もまた素晴らしい。

このラストカットでマンデラが心で呟くセリフこそ、
上記の作品群を“踏まえ”なければ
その意味を味わいつくせぬ。

“不条理な苦難”こそが最高のときを与えてくれた。
そんなふうにも受け取れるところが最大のミソなのである。

この最高の栄光を与えてくれたことに対して、ではなく
自分の肉体の中に“負けざる魂”があったことを神に感謝して
映画は終わる。

クリント・イーストウッドの映画を観ること、
そして彼のメッセージを映画を通じて受け取れること、
メッセージを受け取れるだけの映画鑑賞眼を養えてこれたこと、
その全てに幸運と感謝を感じる。


今回も最高に至福の時間でした。ありがとう。


posted by となーす at 03:33| Comment(0) | TrackBack(1) | クリント・イーストウッド作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月26日

となーす映画評「マディソン郡の橋」


マディソン郡の橋 特別版 [DVD]

メリル・ストリープが本当に素晴らしい。
この人の喜怒哀楽の表現を見ているだけで充分に見応えのある作品である。


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posted by となーす at 03:56| Comment(0) | TrackBack(0) | クリント・イーストウッド作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月24日

となーす映画評「ペイルライダー」


ペイルライダー [DVD]

Gyaoです。http://rakuten.gyao.jp/
「許されざる者」つながりで同じ西部劇を観てみたかった。
しかし
これは期待していたより若干評価が落ちましたね。

個性的なウェスタンのような顔をしているが、
実際は、純粋に単なるアクション映画。
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posted by となーす at 08:45| Comment(0) | TrackBack(0) | クリント・イーストウッド作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月22日

となーす映画評「許されざる者」

またまたGyaoです。http://rakuten.gyao.jp/
過去のイーストウッド作品のラインナップ素敵です。

許されざる者 [DVD]

公開当時観たときは、私も20代だったのでピンとこない映画の一本だったんですが、

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2009年04月26日

となーす映画評「グラン・トリノ」

いろいろ、Yahoo!のレヴューとか
週刊文春の映画評やら、一通りチェックしてから
観に行きました。

http://wwws.warnerbros.co.jp/grantorino/

まー、
どこを見ても、
皆さん
盛大に褒めてらっしゃる。


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posted by となーす at 16:14| Comment(0) | TrackBack(0) | クリント・イーストウッド作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月26日

となーす映画評「チェンジリング」

クリント・イーストウッドの新作である。


チェンジリング [DVD]


イーストウッドの新作は何があっても見逃してはいけない。

あなたが映画好きで、映画への熱い愛があり、それを誰かに話したい、と思うような人なら。

結論から言うと、この映画は比類なき大傑作である。
1人の人間の“才能”が作れる映画のクオリティを軽く超越している。
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posted by となーす at 04:09| Comment(0) | TrackBack(0) | クリント・イーストウッド作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月14日

となーす映画評「サンダーボルト」

やっぱり、この映画は、ひと言で楽しい。

ジェフ・ブリッジスという俳優に好き放題に芝居をやらせたこの映画、イースト
ウッドの映画の中では異色中の異色。
イーストウッドは自分以外の役者にあまり惚れないタイプだから、こういう映画
は少ない。
(これ以外だと、『ザ・シークレットサービス』で悪役を演じたジョン・マルコ
ビッチくらいか。)



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posted by となーす at 03:42| Comment(0) | TrackBack(0) | クリント・イーストウッド作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月17日

となーす映画評「硫黄島からの手紙」

監督 クリント・イーストウッド
主演 渡辺謙

やー、凄いです。
もうとてつもなく凄い映画です。
実は、前作「父親たちの星条旗」の出来が悪かったので、二部作と謳われているこちらもパスしちゃっていいのではないか、ぐらい思っていたのですが・・・、結論から言うと、この映画、観るのは構わないけど、観終わった後相当凹みます。その凹み方といったら、半端な事態じゃありません。覚悟した方がよいです。


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posted by となーす at 10:20| Comment(0) | TrackBack(0) | クリント・イーストウッド作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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