音楽ダウンロード

2017年10月07日

ノック ノック(2015)

netflixで観ました。
原作の方は未見なので、オチがイマイチとかの不満もなく楽しく観れました。

序盤がいい。
ずぶ濡れでドアの外に立っている悪役の二人初登場の場面。
「あれっ、地味なルックスだな」と思ったが、家の中に入ってバスローブ着たりメイク落としたりする内にこれがだんだん可愛く見えてくる。
妻子持ち主人公キアヌがついつい抱いてしまう展開に説得力を持たせている。
特に二人のうちベルと名乗る女は満島ひかり似で、日本の観客には思いがけないお得感も。

今作の出来がどうのというより、この設定がよく出来ている。
原作「メイクアップ」のラストが衝撃的というがこの設定自体が「不意打ち」あたりから来ているのだと思う。原作の方がむしろ乱暴なパクリラストなのではないだろうか。

ラストが不満、というレビュアーが多いおかげで今作の評価が全体的に低いのはちょっとどうなのかな、と。
キアヌも上手く演じてるし。

全体的に設定が面白いし、もっとリメイクして色んなパターンを見せて欲しい。
女の一人を懐柔して仲間割れを誘導する、とか、そんな展開もあったら面白かろう。





posted by となーす at 17:31| Comment(0) | アメリカ映画(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月08日

パーフェクトルーム(2016)

サクッと観られる。
そこがいい。

このご時世、敷居が低い映画、というのは大きなアドバンテージになる、と思う。
画だけで、どういう事態が起こっているのか一発で分かる。
そして最初から最後までお話のスケールが小さいまま、というのもいい。

アルフレッドヒッチコックがやりそうなストーリーなのに、あからさまに撮影技法の引用などやらないところも好ましい。まあ、古臭くなるからだろうけど笑

褒めちぎっているようだが、だからと言って名作とか傑作だというわけではない。家でテラスハウスを観る感覚で観るのがお似合いのお手軽作品であってそれ以上でも以下でもない。

映画で“そこそこ当てる”技術を目の当たりにしたような、そういう作品だった。





posted by となーす at 06:49| Comment(0) | アメリカ映画(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

沈黙 サイレンス(2017)

素晴らしかった。
さすがに何年も暖めていた企画だけあって、全編を通して迷いがない。
得意技のポップスクロニクルを全く使わないどころか音楽が一切ないのに最後まで全く飽きさせない。一流映画作家の仕事、というべきだろう。

私は基本的にスコセッシがそれほど好きではないが、今作は時間を忘れて最後まで楽しめた。
この重い題材、それから抽象的な台詞の膨大さを考えると、娯楽映画として面白い、というのは驚異的だ。

俳優陣も素晴らしい。
今作で最も難しい役はキチジローとイノウエさま、だと思うが、
この二役をそれぞれ窪塚とイッセーが完璧に演じきれたかどうかは微妙なところだと正直思う。イッセーは形態模写に逃げているところがあるし、窪塚はあの役の二面性を上手く捉えきれてない。
二人からすれば撮影の前に舞台で何度かやってから本番に入りたかっただろうなあ、と思う。この二役は台詞を覚えればいい、というものではない。観ていてこっちが悔しかった。
28年も暖めていた企画だけあって、他の要素が完璧な分、難しい役の二人のちょっとした至らなさがかえって目立ってしまう。

しかしこれほどまでに俳優のお芝居だけで魅せられてしまう映画は近年では全くなかったことに気付かされた。
そして劇場に観に行かなかったことを多いに悔やんだ。

posted by となーす at 02:44| Comment(0) | アメリカ映画(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月26日

ハクソーリッジ

久しぶりに映画館で映画を観た。
振り返ると1月末の文芸座以来だ。

それだけ観たい映画がないからだが、最近はネットに上がっている評論や感想が膨大だから、それをいくつか読んで観た気になれる、というのもある。なんせ映画の中で起きる出来事は公開されてしばらく経つと全部情報としてネット上に出てくる。予告編も最近はだいぶ丁寧に説明しちゃってる。
実際の作品がそれらを読んだこちらが想像したものを凌いでいる感じがしないとわざわざ映画館に行く気がしない。そんなわけでいよいよ本数が限られるようになった。当たり前ですけど想像したのより下回る作品の方が多い。


それで行くとこの「ハクソーリッジ」はストーリーを頭から最後まで全部読んですぐその足で映画館に行っても大丈夫。
多いに笑って泣ける作品、と言っていい。
いや、実際にはストーリーを読んでは行かなかったけどね。
つまり、今作が描いているのは出来事ではない、ストーリーで説明出来ることではこの映画を観たことにはならない、という類の映画だった。

まず人間関係の描き方が、ありふれた言い方だが一面的でない。
ただ、一面的でない、というのは口で言うほど簡単ではなく、一般的に名監督と呼ばれている人でもこれが出来る人はすくないのである。
例えば黒澤明などは割と紋切り型のキャラクターを動かすのが得意で、あまり自分以外の人間に興味がない。これは宮崎駿などもそう。どちらが上とか下と言うことじゃなくそういう性質が大衆の気分に沿っているかいないか、の問題なのである。


人間を多面的に描く、というのは人間関係に多いに悩んだ人にしか出来ないのだと思う。

定石通り、主人公が戦場に行くまでの過程が大体映画の半分程度あるが、短いシーンでテンポよく見せる。どのシーンも本当に完成度が高い。
観た人ならわかるが、主人公が入隊した初日の場面など、人物を紹介しながら笑いがいくつも仕掛けられている。笑いとともに彼らの人となりが観客の記憶に残る。それもわざとらしくなく自然にサラリとやる。映画館でちゃんと笑いが起こっていた。
この点でも本作は大人の鑑賞に耐えうる一級品だが、まだある。

監督メルギブソンは主人公の英雄的行為を出来事を並べて描いているのではない。
なぜこの人はそれが出来たかを、まず自分が知りたがっている。自分の問題として。
その真剣さ具合がこの映画の見応えになっている。


途中、父子のやりとりのシーンが終わり、すぐ後に戦場の地獄を描く場面に変わるくだりがあるのだがそこは最高潮に泣ける。
シーンのつなぎ方で泣かされるなんて演奏(演出)が素晴らしいとしか言いようがない。作家の気持ちをまるごと見せられた気がした。


映画館で映画を観る体験を久しぶりに多いに堪能致しました。素晴らしいです。


posted by となーす at 10:18| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ映画(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー

みんな大好き「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」をようやく観ました。
私は洋楽は全く興味がなかったので、そのへんが絡むとこは評価できません。
ただこの人の前作「スーパー」は観ていて、そのときの印象は「上手い!」だった。
美人の嫁さんをイケメン麻薬王に寝とられたブ男が自警ヒーローになる、というお話で、普通に生きてる観客にはあまり興味も湧かないテーマを面白く仕立てていた。
私的に言っても、好きでも嫌いでもない、正直あまり記憶に残らない作品だった。

今作は日本以外では大ヒットしたのだそうだ。
そりゃそうだ、日本人はもう「ワンピース」を美味しくいただいちゃってる。
本当に食べたいやつ、渇望してるやつしか観に行かなくなってるから日本人は。

オープニングはとても良かった。
ちょっとしたタイミングで一生悔いが残ってしまう、ってやつ。
こういうところには抜群の才能を感じるのだが、やっぱり宇宙の冒険活劇に食傷気味かなあ。今まで見たことのない画が欲しい。
終わってみると結局一番良かったのはロケットの吹き替え、加藤浩次で、この人がいなかったら最後まで観れたか怪しい。
私のような吹き替えフェチには、こういう人寄せ起用なのに「意外にハマった」著名人吹き替えというやつがこれ以上ない大御馳走なのだ。
「コロンボ」レベルでオリジナルを超えた吹き替えになっていると思う。現在私はこのキャラクター見たさに続編観に行こかな、になってるから。




posted by となーす at 09:30| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ映画(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月22日

アルカトラズからの脱出

netflixに入っていたのでつい、クリックしちまった。
クリックしちまったら最後、もう途中でやめられない。
これはそういう映画。
これまで何度も観ているのに、ストーリーも全部分かっているのに、だ。

とにかく刑務所に入るところから始まって出て行くまでの話、なのだが、なにも脱線せずに一直線に進んで行く。
動機が、とかそんなもの何も描かれない。

場面全てが、2つの相反するものの緊張関係でまとめられている。看守と囚人、夜と昼からはじまり、
2つのうちひとつは囮、とか。

ドンシーゲルのことはあまり詳しくないが、他の作品もそうなのだろう。
他の作品も観て確かめたくなった。






posted by となーす at 06:43| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ映画(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月19日

ロッキー3

一転して内省的な映画になったなぁ。
戦うテーマが個人的になって、替わりに背景が派手もしくはチャラくなっている。
前2作とは見た目をガラリと変えてきた。

前半のハルクホーガンとの試合など茶番もいいとこなんだが、上手く物語として機能しているし、脚本もコンパクトにまとまっているし、気楽に観れる感じは悪くない。

試合シーンは前作より上手くなっている。

今回もモチベーションを失い、ロッキーはダラダラする。
ダラダラするシルベスターに羽佐間道夫は特にハマる。逆に試合中のロッキーの声には全然合わないのだが。シルベスターの高テンションの芝居と羽佐間さんの声とは食い合わせが悪いのだ。

特に今作の場合、ミッキーが死ぬ、という感情的にはシリーズ随一の事件が起こる。
このシーン、羽佐間さんの吹き替え、苦労の跡が見えて大変興味深かった。

実は今作はモチベーションを回復する場面がよく出来ている。
エイドリアーンとの会話だけで、ワンシーンで回復する。お手軽な感じなのだが、説得力がちゃんとある。
シリーズはこの後、この、エイドリアーンのセリフ一発注入→覚醒、のパターンが増えるのだが、毎回ここは結構いいセリフが多い。シルベスターのダイアローグ力(りょく)は高いのである。


さて、ここまで来てロッキーマラソンを継続するかどうか迷っている。
4と5の山は高いなあ。


posted by となーす at 04:33| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ映画(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月18日

ロッキー2

何十年ぶりかで2回目の鑑賞。
モチベーション不足、という問題をじつに丹念に描いて見応えがある。
一作目の試合で燃え尽き症候群に落ち入ったロッキーをあの手この手でリングに引きずり出そうとする物語。

公開当時は安易な続編、という捉えられかたをしたが、主人公が再戦で勝つか負けるか、というのはだいぶ大きな賭けだっただろうと思う。
監督を兼任したのも、そのリスクを背負ってのことだと思う。
結果的に批評家筋から支持は得られなかったが、今観ると、映画は観客に奉仕する、の哲学が最初から最後まで揺るぎなく、シルベスターの作品群またはロッキーシリーズの中でも「ファイナル」と並ぶ傑作だった。

前作のヒットを受けて予算も跳ね上がっているはずだが、どこに金をかけたか、観ていると主に2点、前作よりあきらかに金のかかった箇所があった。試合会場のエキストラ、それとランニングシーンでロッキーの後ろから追いかけて走ってくる子供たち。これが信じられないくらい多い。

この映画自体が観客へのプレゼント、という姿勢を明確に打ち出している。
これが「ファイナル」で後年踏襲されたわけだ。

大ヒット作の後に続編が作られるのは映画ビジネスだから当然だが、初監督の続編でこれに辿り着いているのがこの人の才能で、長いキャリアの中で紆余曲折はあっても今でも彼の作品群の変わらぬ本質だ。

気になったのはスローモーション撮影が試合場面で多用されていたこと。シリーズを通じて初めてだし、突然ゆっくり画面が動くのはかなり違和感がある。

さて、アマゾンプライムにはシリーズ全作入っているので、次は3を投稿します。















posted by となーす at 06:14| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ映画(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月17日

マジックマイク

ソダーバーグは編集が上手い。
芝居をキチンと見せるためにカットを長めに撮るのに、シーン終わりを若干短く切ってテンポを出す。
序盤の掴み、マイクたちのストリップパフォーマンスまでは登場人物たちの紹介だけで何も起きないシーンに結構時間をかけているのに、飽きそうで飽きない。これは映画が上手い、としかいいようがない。
俳優たちの選び方のセンスもいい。主演どころはもちろん端役たちの表情もイキイキしている。
そうそう、みんなが好きなのはこっちのマコノヒーだよ。
ソダーバーグは意外と観ていない。「エリンブロコビッチ」など大好きな映画はあるが、それより以前の「アウトオブサイト」を原作エルモアレナード大好きだった時代に観て、ガッカリしたことがあるからだ。あれはレナード原作のくせにモッタリした演出で途中2回くらい寝落ちした。
まあ、いずれにしろハズレの少なそうな映画監督を見つけるのは嬉しいものだ。
まだ観てない作品が多いとなお嬉しい。




posted by となーす at 20:29| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ映画(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月05日

エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に

この人の映画は「スクールオブロック」しか観てない。というか、他の作品はどれも途中で観るのを辞めている笑
理由は大抵がエンタメ性が低くてじっくり腰を据えて観ない限り、味わえないからだ。
いつも序盤からライド出来ない作家、というのがリンクレイターのイメージだった。

ただし、いつも、いつかはちゃんと観たい、と思い続けていた作家でもあった。
なぜなら私のオールタイムベストワン「さらば冬のかもめ」の続編を作っている男だからだ。

さて本作だが、これは大学内ロードムービーとでも言うべき物語で、新入生が大学内のパーティーを渡り歩きながら自分探しをする。
この映画を観るうち、「さらば冬のかもめ」を徹底的に観て研究している人の作品だなぁと感心した。格別な愛情を抱いているに違いない。
この人なら続編が是非観たい。

今作は「さらばー」のハッピーエンド版といっていい。こちらを正式な続編と見なしたってなんら差し支えないよ、おれ的に。
特に良かったのは終わり方!
最高に切れ味がいい!


人生は素晴らしい!

ありがとう!

posted by となーす at 01:55| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ映画(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月14日

君に読む物語

女の子の自称映画好きと話していると、この映画が高確率でベストに上げられる。

ようやく観ることにしたら、割りと私の様なオールド映画ファンでも楽しめる作品であることが分かった。

まずは監督がジョンの息子、ニックカサベテス。で主演がジーナローランズ。
私はカサベテスの映画をこのブログで以前取り上げた「こわれゆく女」しか観ていない。まあ、あれ一本でなにもかも伝わった、と思っている。
私は映画をたくさん過ぎるほど観るのは単純に依存だと思っている。良質な映画を作った作家に出逢ったからと言ってなにもその作家の全作品を観る必要もない。なに不自由なく思い切り思うがまま撮り上げた映画にはその人の全てが入っている。「こわれゆく女」はそういう類の映画で、こちらを中毒にさせたり依存させたりする成分がなにもない。商業製品でない映画、だからだ。
だから良い頃合いが来たらまた、「オープニングナイト」などだって観る機会が訪れるかもしれない。そのとき観ればいい。

な、わけで
今作の話を。

前回の記事で書いた、太陽のような存在、がまさにこの映画で登場するレイチェル・マクアダムスであろう。こういう人が身近にいる人生とそうでない人生は幸せ度がまるで違う。

この人は「アバウトタイム」でも同じように、ダサい主人公にとって太陽のような運命の妻、を演じていたが、すこぶる健康的な肉体の存在感がこの映画でも炸裂していて、全速力で走って恋人役のゴズリングに抱きついたりする場面を観ているだけで幸せな気分になる。

ゴズリングはレイチェルと一緒だと爽やかで気持ちのいいやつになる。
観終わったあと、ニックの親父ジョンにとってジーナがそういう存在だったのかも
と思わせてくれる映画だった

ネタバレになるが
老年期を演じる二人はゴズリングとレイチェルとはまるで違う。同一人物として扱うには無理があるレベルだ。これが成立するのは何故だろう。妻を愛する道具としてジョンが映画を使った。それが「こわれゆく女」だと思っているのだが、そのマインドでこの映画も撮られているからか。




キザ男サムシェパードが年取っても相変わらずカッコつけてる姿も見れて良かったし、と思ってたら、ゴズリングの場つなぎ彼女役の女優がなんとなくジェシカラング似で、おや、と思った。キャスト表を見たらラストネームがシェパードともラングとも違う。登場の仕方からして、二人の娘だとしてもおかしくないが、結局わかりません。


posted by となーす at 13:00| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ映画(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月13日

イージーライダー

netflixのラインナップに入っていたので久しぶりに観た。

前回観たのは高校生のころだったか、この作品のジャックニコルソンのシーンは衝撃的だった。
「DHロレンスに」はしばらく自分のなかだけで流行語だった。
ま、とにかく私の中では映画の内容には共感できないが特別な一本だったわけだ。


日本語吹き替え版で見始めたのだが、そのジャックニコルソンの吹き替えがなかなか面白いので、調べてみたら若き日の北村総一朗なのだそうだ。
ニコルソンという俳優はフィックスの声優さんが決まらない数少ないスターの一人だが、というかこの人だけか?、作品によってニコルソン自身の芝居はなんら変わらないのにあの感じを日本語に置き換えるのが難しいのだろう、吹き替えは常に“スター”でない脇役俳優さんがアテていた。

今作の北村総一朗が面白い、と言ったのはニコルソン自身のセリフ回しとかは敢えて追わず、役柄の方に寄せていたところで、役柄のバックグラウンドをニコルソン本人より上手く、声だけで表現していた。ニコルソンの奇抜なアクトに目を奪われて役柄の人物への理解が足りなかったのを思い知らせれた。

作品全体で言うと、ニューエイジの思想の啓蒙、という一本筋の通ったなかなか見ごたえのある映画で、スピリチュアルブームを経た現代人ならこの映画を当時以上に味わい尽くせるのではないだろうか。
旅の途中で二人が立ち寄るコミューンの描写など以前観たときには何をしている連中なのか全くわからないし、退屈なシーンだったのが、今回見直して見ると、彼らの思想がとてもよくわかるし、描写も過不足なく見事だと思った。
あのシークェンスでデニスホッパーだけ嫌われる、というのが芸が細かくていい。

サウンドトラックが有名な作品だし、音楽に依存した作品、のように思われがちだが(とくに現代では)、ストーリーにも人間を見つめる視線にも、ある種の純粋さがあり、その部分が今作の最大の魅力なのだと今回理解した。
アメリカンニューシネマの代表的な作品だが、いい意味での可愛らしさが他のニューシネマのニヒリズムとは違う輝きを放っている。




posted by となーす at 05:03| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ映画(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月04日

10クローバーフィールド・レーン

非常に評価の高い前作は未見。

ただ大体のストーリーはオチまで含め、知っている。
で、今作は特に予備知識なしで見始めた。

まあ、大体どういうオチになるか、は全体の3分の1くらい観た人には想像がつくだろう。ただ、それでもちゃんと面白い。

(以下ネタバレします。)

シェルターで擬似家族が作られ、そして崩壊するまでを順を追って、ドラマにしている。
ただ、その脱出方法やディテールに新味が特にあるわけではない。テンポ重視で飽きさせない、の方に重点が置かれている。
外が危険、を巡る話の後に内側の不信を煽るやり方も手際がいい。


やはり、一番良かったのは、あんなに憎しみを込めてオヤジを殺してオヤジの丹精込められたシェルターを完膚なきまで破壊しておきながら、地上に出た主人公の30代女子が、もっとヤバい敵と対峙するや、今まで軟禁されていた場所を恋しく感じる場面。
家族が大嫌いで実家を出た娘の不安、という一般的な感覚と重なり、
女子の自立、がテーマだったのかと気付かされる。

しかも現代を生きる女子の自立の過酷さを宇宙人襲来に例えて表現しているのが面白い。

構成が知性を感じさせる良作でした。





posted by となーす at 06:28| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ映画(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月02日

ジャッジ・ドレッド

シルベスタ・スタローン主演の旧作の方は観ているが、あまり記憶にない。あるいは観始めて途中で辞めたかも。というのは、このリブート版のオープニングは結構、旧作のルックに似ていて、ああ、こういう感じで旧作も始まったよなー、となんとなく思い出したからだ。よく考えると、シルベスタ主演の「コブラ」っぽくもある。
リブートと言いながら、先行者の功績を引き継ぐ形で始まる、なかなか好ましい滑り出し。
それでも、開巻アクションの中に、超スローモーションを挟む独特のテンポを作り出して、「お、これは!」と注意を喚起する。
昔ウィリアムフリードキンがいくつかの作品でやっていたように、カーチェイスなら車の動きをただ編集を短く繋げるのではなく、それまで観たことのないようなカメラワークで新味を出す、というような工夫があると、映画の満足度は上がるものだ。それを改めて気付かせてくれた。

それと、この主演二人のマッチングが素晴らしい。
およそ、社会人の男として、新人の若い女子を連れて歩くことくらい楽しいことはない。
しかも悪役が元風俗嬢のギャングのボス。
こういう道具立てが実に上手い。
新人女子の無防備感が映画の興味を引っ張る。
大人やなー、映画が。笑

しかもジャッジドレッドの顔が終始見えない、というのも効いていて、今時の観客には逆に感情移入しやすいことになっている。
「但しイケメンに限る」という言葉が端的に示すように、どんな恋愛模様もイケメン俳優が演じるだけで観客は自分との距離を感じてライドしにくい、今の観客はそうなっている。
キンプリの応援上映で女子の顔が真っ黒にされているのは、その辺が理由になっているのだが、ドレッドはその男子版と言っていい。

これだけ男子の観客のニーズに寄り添った作品は観たことない。
と思ってネットで調べてみると、やはり高評価だった。

とはいえ、これだけ道具立てが完璧なのに残念なことに観終わってみると、印象が薄い。
ビルを舞台のアクションだと「ダイハード」がある。観ている間はやはりあれと比較してしまう。せっかくの道具立てを割とあっさり解決する展開が多く、勿体無い勿体無い、と思っている内に映画が終わるのである。

途中で主人公二人をネチネチ追い詰める展開があると、カタルシスも増したのに、そういう方面の興味はあまりないようなのだ。
惜しい。






posted by となーす at 17:26| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ映画(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月02日

ドント・ブリーズ

経済が崩壊したデトロイトに住む若者たちが、盲目の退役軍人の家に強盗に入る話。

新年あけましておめでとうございます
年明け一発目は、公開館数が少ないのに連日満席で昨年観に行けなかった、今作を元旦に観に行きました。

このブログはすでに観た人向けです。
ネタばれにうるさい方に向けて書いておりませんので、よろしくね笑

主人公の女の子も、悪役となる退役軍人も
世の中が不公平だ、と感じている。
その二人が対決する物語の構図は素晴らしいのだが、結構前半で退役軍人の嗅覚の設定が曖昧なのが気になってのめり込めなかった。
女の子があんなに近くにいたら香水の匂いで気づくだろ、と思ってたら、割りとすぐ後に靴の匂いに気づいて、一箇所にまとめて脱いである靴の数で族の人数を軍人が知るシーンがある。
鼻をティッシュでひとかみしてからクンクンやる、とか笑、ひと芝居あったら良かった。

デトロイトと言えば近作でイーストウッドの『グラントリノ』がある、あの作品でイーストウッドは退役軍人ではないが、ジジイと若者たちと言う意味で、今作と似た構図を持っている。
だから、物語の前段で強盗たちより軍人に共感する向きも観客の年齢によってはあるだろう。
どちらに“理”があるか、のシーソーが今作の前半にはあって、そこが堪らなく面白かったのだが
その均衡が中盤崩れて、退役軍人は明らかな“悪役”になってしまう。

黒澤清の『クリーピー』と似たガッカリ感。物語の風呂敷を畳むためにジャンル映画の様式を纏う。その懐事情が読めてしまった。
最後までサスペンスで行ってほしかった。
このブログで以前紹介した『不意打ち』とか。

でも、あそこは良かった笑
レイプよりおぞましい、あれ。
あれは発明ですね



posted by となーす at 13:48| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ映画(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月30日

スポットライト 世紀のスクープ

マイケルキートンが素晴らしい。
長年同じ仕事に従事している人間特有の身軽な立ち振る舞い。彼の姿を観ているだけで豊かな時間を過ごせた気分になる。

今作の舞台になったボストンという街を描いた作品には他に『評決』がある。
内容的に類似するところがあり、合わせて観るのも面白いと思う


以下ネタばれ含む


5年前に誰かが意図的に記事を小さく書いたのでは?という謎がかなり最初の方から提示され、最後に明かされるが
この着地が素晴らしかった
テレビドラマ的な謎の提示だが、着地は映画、だった。

『アバウトタイム』のレイチェルマクアダムスも美しい。


posted by となーす at 03:45| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ映画(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月13日

コップ・カー

時間は前後するが
ヘイトフルエイトの前に観たのが
このコップカーで、こちらは周辺情報を上回る作品だったので紹介したい

ただ、出来れば何も予備知識なしに、出来れば舐め舐めに舐めてこの映画に出会って欲しいので、話の展開も含めて何も書かないで済ませたい

ヘイトフルエイトの後に観るとか、前に観るとか、並べて観ることで味わいが増す、アメリカ映画二本立て、という気がするので挙げさせてもらった。

個人的には『スタンドバイミー』より傑作だ

posted by となーす at 14:25| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ映画(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月28日

インサイドヘッド

『チャイナタウン』のラストのセリフがパロディで出て来た笑
意外な場所で使われると嬉しいね

ピクサーのぶっちぎり感を改めて見せつけられる作品
今、よく知らない誰かにオススメの映画を尋ねられたら、相手の年齢関係なく、これ。
合議制のシナリオのピクサーに完成度で今勝てる作家はいない

ここんとこ内省的な映画を立て続けに観て
この作品を観ると、映画は進歩しているんだなあ、と
映画は一人で観るものだけど、誰かと一緒に観たい、と思わせるのだから、まあ、凄い


posted by となーす at 11:59| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ映画(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月21日

デッドプール

ヴァネッサが可愛い
以上終わり
でもいいのだが
一応感想を書きます

今日は珍しく2本も映画館をハシゴしたので記憶も薄れやすくなってると思うので備忘録的に

ネタバレとか言うほどの展開はないので
わざわざ断るまでもないですが
劇場公開中の作品なので楽しみにしてる人は読まないでください


以下感想
こちとらいい大人なんで
最近のハリウッド製アクション映画の〈コケにされたらその相手を追っかけてブチ殺すとワシはスッキリするんじゃあ〉なノリが正直、まるで乗れない笑
主人公たちがセリフで幼児虐待を受けていた、とか言ってるのも言い訳がましくてどうも好きになれない

幼児虐待の犠牲者だからこそ、自分の体を簡単に人体実験に使われることを許したり、粗末に扱ってしまう、というとこがあるとか、

実験されてる最中の減らず口の中にそういうセリフが入ってたら好きになれましたよ

でもこれじゃあただのファッションだ
観客のあんたたちと同じTシャツ着てるから仲間ですよ的な
書いていて気付いたのだが、のべつジョークを垂れ流している割に感情の起伏が少ない主人公だったな、と思う

不死身の体を与えるぜ、という最初のオファーを受けたときにもっと有頂天になっても良かったし、

話は逸れるが
後半につけるスパイダーマン風ビジュアルのマスクに、これだけサブカル好きな主人公が突っ込みを入れないのもよく考えると不自然だね

日本は世界で一番お笑い英才教育が行き届きまくっている国なのでこういうスジふりだとかボケだとかツッコミだとかに納得がいかないところがあると、醒めるのも早いのかもしれない
て言うか笑えるジョーク自体少なかったぜ?
昔NHKで夕方やってた『アルフ』だとか『アーノルド坊やは人気者』のほうが笑うとこあった気がする

おすすめポイントはそういうわけでヴァネッサの可愛いさ、ただ一点になります


posted by となーす at 00:29| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ映画(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月23日

スターウオーズ7 フォースの覚醒

観たのは去年で、もう結構経ってますが
備忘録的にメモしておきたい点を

私、一応シリーズ全作品観てますが
さして思い入れもないんですよね
一作目と二作目の公開あたりが一番このシリーズが世間的に輝いていた、というのはどなたも異論ないことと思われますが
そこと今作が比較されるのもかわいそうっちゃかわいそう、というのも重々承知の上で言うと
やはり、新しい驚きがもっと欲しかった

結局、思い出されるのは
逃げるときに手をつなぎたがる、というキャラクター設定。
ああいうの上手いなあ笑




posted by となーす at 16:20| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ映画(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
最近のコメント