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2017年07月09日

オクジャ

一言で言ってものすごい。
こんなおぞましい映画、観たことない。
我々が生きている世界はもうとっくに呪われている。

まあとにかくすげえ映画です。
今youtubeで流している予告編でイメージする内容を100倍裏切るので、あまり予備知識なしで観た方がいいです。
最初の20分くらいはゆったり目な上にありがちな展開なので途中で辞めてもいいかなと思うかもしれませんが、そこで辞めたらもったいない。それらはちゃんと後々生きてきます。



ここから
ネタばれ注意

ポンの新作がまさかnetflix配信で公開とはなんと贅沢な!
「母なる証明」は黒澤明「天国と地獄」のラストシーンを現代向けに再構築して見事だったが、今作はそれに倣えば宮崎駿作品の再構築、と言っていい。
宮崎駿の裏も表も全部可視化したらこういう作品になるのではないか。というかこんな作品を本人に作ってもらいたかった笑


さらに観終わって驚いたのはnetflixでのレビュー欄。
レビュアーたちの評価が遺伝子組み換え食品に対する嫌悪の度合いに連動している。
嫌悪感が低いレビュアーにはどうも今作は退屈らしい。
君たちも私もラストシーンで屠殺場に並ばされた彼らと同じなのだぞ!


今年暫定一位です








posted by となーす at 02:08| Comment(0) | TrackBack(0) | その他外国映画(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月11日

PK

これはほんまもんの大衆娯楽映画。
大衆の1番の関心事をモチーフに選んで正しくエンタメとしてまとめ上げて見事です。
しかも

こりゃー多神教の時代は終わるな。笑
という痛快にして映画史的にも世界史的にも決定的な傑作だと思う。

個人的には大好きな映画は他にもあるし、それぞれに思い入れはあるが、
これから生まれてくる子供たちが最初に出会う映画は、他でもないこの映画であって欲しい。

まだ観てないが今年は「メッセージ」やら「正解するカド」など宇宙人コンタクトものが多いが、この作品の世界的なヒットの影響下にあるのだろう。
しかし、この作品はそれら宇宙人映画のすでにして決定版で、今作を最後まで観れば結論まで到達しちゃっている。
そう、私たちが宇宙人である、と言っちゃっているのである。私は今作のラストをそう観た。

この映画は見た目以上に隅々まで目配りの出来た作品なので、主人公の宇宙人を美形にしたりしない。
どっちかというと小汚い風貌にしている。
(留置所のシーンで海苔のようなものをクチャクチャ食べているサマの小汚いこと!笑)
要するにこの小汚い宇宙人は最後までカリスマやヒーローにならない。

誰かをヒーローにする時代は終わった、預言者はいらない。
そういう現代を象徴する作品なんであーる。

















posted by となーす at 07:20| Comment(0) | TrackBack(0) | その他外国映画(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

クライングゲーム

名作、との噂は前から聞いていたが、これまで内容もなにも知らなかった。
淀川長治さんがすごく褒めていた、という印象だけで、何年も経ち、ようやくアマゾンプライムに入っていたのでぼんやり見始めた。

最後までちゃんと面白い。
正確に言うと名作、というほどではなかった。
いや、そもそも名作だぜえ、という顔もしていない。

この映画の面白さの肝になるシーンがかなり中盤にあって、そのシーンは心底驚いた。
なんとなく見始めた、という鑑賞態度が正解だった。

思えば、最初のシーンが何気なく変なんだよな、
恋人同志が遊園地でイチャついている。
男は黒人で女は白人。
男はビールを飲みすぎたとか言って、テントを張っただけの仮設トイレに行くが、彼女の手を握ったまま、一人でトイレに入る。
なんで手を離さないか、というと、彼女に逃げられるんじゃないか、と疑っているんだと。
片方の手がイチモツを握っていることを観客に想像させるだけの時間をたっぷり長回ししてトイレから出てきた彼氏が再び彼女とイチャつき始めるのを見せるのである。
観てるこちらはこう思う。
手を洗ってねえ!

こういう、なんのメッセージもないが記憶に練りつくファーストシーンを観たらなんとなく続けて観ちゃうでしょう。

この映画を観終わって思うのは、最近はなにもかも白黒つけすぎなんだよな。ということ。
愛なら愛をガッツリ描く。誰かを何かの行動に駆り立てなければ物語の推進力が足りない、などと思いすぎな感じがある。
セリフがキャッチーなパンチラインな方がいい。そのほうが切りとられて広告しやすい。
そんなノウハウで凝り固まってない時代の映画だ。
なんとなく変な気になりかたで他人と関わり、気がついたら情が湧いている。そういう人間関係を描いている。
そして他人と関われば関わるほど当人たちそれぞれの孤独が立ち上がってくる。

味わい深い小品でございました。



posted by となーす at 07:14| Comment(0) | TrackBack(0) | その他外国映画(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月17日

トークトゥハー

ええっ!
ここで終わるの?
そんな殺生な!


まだまだあと1時間延長して欲しい。
短い!と腹が立つ映画ってそうそうない。
「ラストエンペラー」以来だ。

何故ならこの映画、ただただ抜群にストーリーテリングが上手い。
なんとなく評判は知っていたけど全くの食わず嫌いでこれまで手を出さずにいたのが悔しい。
テーマがどうの、と小難しい顔をしないでとにかく笑顔でもてなしてくれるとこが素晴らしく、観終わった後に登場人物たちの存在感が手元にふんわり残る。

あらすじを読まずに観ることをお勧めする。






posted by となーす at 09:34| Comment(0) | TrackBack(0) | その他外国映画(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月30日

ワールズエンド

エドガーライトおもしれーなー

観始めたら止まらなくなった

これまでこの人のファンでもなんでもなかったから、内容に対して知識ゼロで出会えたのが良かった

昔の悪友たちが里帰りしてパブを梯子する話
これくらいの知識で観るのが一番楽しめる笑

以下ネタばれ含む



中盤であっと驚く展開があるが、久々の故郷に足を踏み入れたときの誰もが抱く違和感、と実に上手く繋がっていて唸らされた。
ショーンオブザデッドの鮮やかな幕切れと違って、ちょっとくどい終わり方だったのだけが残念だったが、最後まで楽しく観れた。

くれぐれも前知識は入れないように笑


posted by となーす at 04:50| Comment(0) | TrackBack(0) | その他外国映画(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月28日

アバウト・タイム 愛おしい時間について





これはいろんな人から勧められていた映画
で、ようやくtsutayaで借りて観たのだが、結構ロングセラーなのですね

いわゆるリプレイものだが
主人公が短いスパンで繰り返すのがミソ

コミュ障な青年が恋を成就させるために先天性のタイムリープ能力を使うのだが

どんなやり方かというと、目当ての彼女に告白して、失敗しては、時間を戻して出会ったところからやり直す
女性に対する言動が間違った、と思うとやり直す
やり直していくうちに本物の【紳士】になっていく
映画の中でとくに紳士という言葉は出て来なかったかと思うが、これはイギリス映画だ。

何度も何度もタイムリープして、他人への振る舞いを修正することで自然に正しい態度を身に付けていき、最終的に修正する必要がなくなっていく


一度経験したことをもう一度やり直す、というのは『恋のデジャブ』と同じで、主人公のキャラクターの違いが映画に個性を与えてはいるものの、観客が得る経験はかなり似ている気がした
自己啓発本などで定番の【今日を人生最後の日のように大切に生きる】と言うセリフ。これが今作の最後に出てくるが、こういうみんな知ってる言葉に繋げてみせたのは素晴らしいと思う








posted by となーす at 03:50| Comment(0) | TrackBack(0) | その他外国映画(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月27日

ぼくを探しに





フランス映画を久しぶりに観た
いやあスローな展開に途中で2回ほど仮眠タイムを摂りながら最後まで観ました

観て良かったですよ
素直に

優しい映画で、ね


2013年の映画だからネタバレも糞もないと思うけど一応ここからネタバレ






苦いハーブティと甘いマドレーヌ、だよ人生は、てこの映画を一言で言い表したくなるけど、実際に観ないとちょっと終盤の感動は体験出来ないかな

要するに、甘いことと苦いことは記憶の中で別々にしがちなんだけど
それを今この瞬間に混ぜろよ、
とこの映画は押し付けず語りかける

混ぜたら視界が開けるのだ
楽しいのだ

主人公とともに観客にもその体験が出来る、という映画だった

小津安二郎の『東京物語』みたいに
ラスト近くで圧倒されるがそこに至るまでは眠気との闘いを要求される
という映画なので、そういうの大丈夫な方だけおすすめです


posted by となーす at 07:00| Comment(0) | TrackBack(0) | その他外国映画(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月05日

キングスマン




たしかにこのストーリーだと
いろんな人が言ってるように
マナーが人を作る、的なエピソードで締めてもらいたかったな笑
あと悪役が主人公をディナーに招待しておいて振る舞う料理がマック、というのがあったけどあれスベってると思う

マシューボーンの映画は当てる気満々が画面から溢れていて気持ちがいい
上で書いたように映画ファンたちが予想したり望むストーリーを自信たっぷりに裏切ってみせる
映画の中で打ってくる一手一手全てに自信があるのでいくつかのシーンがスベってたり完成度が低くてもたぶん平気なんだと思う

個人的にこの人の映画を2回以上観たことないがこの“強度”はそれだけで見応えがある

マシューボーンは女性にモテるそうだが
映画を観ればそれも納得である笑


posted by となーす at 15:30| Comment(0) | TrackBack(0) | その他外国映画(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月11日

ミックテイラー 史上最強の追跡者

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つかみが最高に素晴らしい

パトカーが砂漠の真ん中でネズミ捕りをしている
巨大な看板の裏に隠れてスピードメーターを構えていると、初老のドライバーの運転するトラックが一台通過する
警官二人はメーターを見るが制限速度をギリギリ下回っていた
年若の警官は残念そうに首を振って苦笑するが、交通量の極端に少ない砂漠に来る次の車両を待つのに飽きている年長のもう一人は、いや、かまわねえから切符切ってやれ、とサイレンを鳴らしてトラックを追いかける
相手はどうせ田舎もんのじじいだ

止めて内部を見ると、雑然と工具が積まれたいかにも田舎のブルーカラー労働者のトラックで警官の質問に答えるじじいの返答も要領を得ないが、加工した食肉豚を運ぶ道中らしい

情け容赦なく違反キップを切り、ヘラヘラ笑いながらパトカーを走らせ始めるや、年若の方が年長に、あんたはひどいやつだな、とかなんとか薄ら笑いでジョークを飛ばしていると、後方からライフルで頭を吹っ飛ばされる
さっきのじじいがライフルでパトカーを狙って躊躇なく撃っているのだ
しかも腕が良い。

パトカーは横転して谷底に突っ込む。
年長の警官は凹んだ車体に身体を挟まれて身動きが取れないが辛うじて生きている
そこへガソリン容器を手にしたじじいが上から歩いて降りてくる

これまた躊躇なくガソリンをパトカーにぶちまけるじじいに命乞いをする年長の警官。
息子が週末に野球大会に出るとか切符はとり消すとか

しかしじじいは聞く耳を持たず、ガソリンをなみなみ撒いたあと、切られた切符を警官の制服の胸ポケットにしっかりねじ込み
火をつける

まるで放った火がエンジンに引火するまでの時間を正確に読んでいるかのように、ゆっくりその場を歩いて立ち去るじじい

パトカーが爆破するところでタイトル


観客との微妙な共犯関係を構築する秀逸なアバンタイトルではないか笑


続く本編はこのじじいが観光に来た外国人カップルを虐殺する、『悪魔のいけにえ』ストーリー。
だが展開を読ませておいて裏切る話運びの工夫が随所にあって前半は文句なく面白い

このアバンタイトルで作られた観客と殺人鬼じじいの微妙な関係をラスト近くでもう一度刺激するあたりでようやく面白さが戻ってくるが、途中の追いかけっこは間が持たなかったのか、スピルバーグ映画のパロディが多くて緊張感が切れてしまった

アクションシーンが多い方が観客が喜ぶって本当なのか?
明らかにアクションシーンを水増ししている映画って損してるよな笑



後で知ったのだが、この映画はシリーズ2作目なんだそうだ
予算が増えて腕の良い脚本家を雇ったのだろう、この手の映画としては見応えがあった





posted by となーす at 08:08| Comment(0) | TrackBack(0) | その他外国映画(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月09日

ババドック 暗闇の魔物

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ババドック 暗闇の魔物

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町山さんがラジオでえらくお勧めしていたのでレンタルしようと思ったら近所のTSUTAYAには在庫がなかった
日本未公開のオーストラリア映画だと海外で評価高くても扱いが寂しいですね
仕方ないので初めてオンラインのレンタルで観た
観ると確かに陰鬱な内容で、生活苦を感じながら映画ではせめて息抜きがしたい的な一般ユーザーには手が伸びにくい作品なのは間違いない
町山さんがラジオで紹介しなかったらまあ一生観なかっただろう

『シャイニング』の本質部分を現代の母子家庭に置きかえて描いており、この作品のあとに『シャイニング』を観るとおそらく『シャイニング』の不真面目さが際立つのではないだろうか
キューブリックの作品はどれもそうだがハッタリが多い。
に比べるとこの作品は誠実な描写で、ファンタジックなホラーとしての恐怖や盛り上がりに欠けてはいるがその分、子育ての苦悩を抱えるシングルマザーの心理を可視化し、見応えは充分にある

ベッドで息子に読んで上げる絵本に母と子が別々の形で影響を激しく受けてしまうというアイデアが素晴らしく
ラストはまた奇妙だが納得のいく結末

子供のころ母親に阻害されたトラウマを抱えてしまった人などに特にオススメしたい

母親にキレられた記憶が映画を観ている間、いくつも蘇ってきて、その絵解きを成人した自分として俯瞰して見る経験ができた
これは監督と主演女優の志の高さがもたらすものだろう
トラウマ外し、という新しい映画の機能を発見させられた思いだ。

去年観てたらベストに入れたい一本



posted by となーす at 06:07| Comment(0) | TrackBack(0) | その他外国映画(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月26日

サイレント・パートナー

確かこの当時、カナダが国策で映画制作を助成していた、とかでアメリカの映画人が流入して何作か作られた中の一本。
だったような笑

うろ覚えです笑

とにかく長年観たかった映画、傑作との評価も轟きまくっている

以下感想だが

観ているとだんだん主人公エリオットグールドの顔が大泉洋に重なってくる
今、大泉洋でこれのリメイクをやっても大成功するんじゃないだろうか

とにかく、登場人物たちが得体が知れなくて面白い

表面で話していることの裏では別のことを考えている
サンタの格好しているやつが強盗を企んでいることに主人公が気づく発端から
表面で話していることの読み合いが最後まで続く

一番凶暴と思われた犯人役がラストでは一番の被害者に見えてくるラストが絶品。

まあ、リメイクして欲しいですね
北海道を舞台に大泉洋主演で、
犯人役はそうだな、明石家さんまかな笑


posted by となーす at 18:09| Comment(0) | TrackBack(0) | その他外国映画(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月25日

マッドマックス 怒りのデスロード

観て来ました
3D吹き替え版です

いやー
面白かったわー

もうね、これはマッドマックスですよ
劣化なんか全然してません
まずもってそれが素晴らしい
不満があるとしたらそれはマックスがメルギブソンじゃないことだけ
最後のワンカットまで
残念ながら主演男優のツルんとした顔に違和感が拭えない
ただ、それでいてマッドマックスに求めるものは全て揃ってる、のだからこれは凄いです
観てるあいだ近々2回目も観に行きたい、とか普通に思えました


マッドマックスは映画ファンにとって別格なんですよね、だからこその新作に対する高ハードルでそれを越えてきたことでさらに別格の歴史を更新した、というのがちょっとした事件ですよね
私は結構、映画ってもう半分くらいオワコンって思ってたりする人なんで、一本の映画に2000円前後払うのがバカバカしく思える昨今、
久々値段に見合う作品でした








posted by となーす at 14:42| Comment(0) | TrackBack(0) | その他外国映画(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月24日

ルーシー


リュックベッソン監督作である

グランブルーやレオンなど代表作も多いのに、最近はカリスマ監督のオーラがなくて寂しい感じがしますね笑
どの辺でつまずいたんだろうこの人

この人の映画で特に思い入れがある作品というのは正直ありません
だから今作もだいぶ舐めきって見始めました

でも話運びが上手い
特に映画始まってすぐの辺りは唸りましたね

描写を省略する気持ち良さ、が映画への集中力を高めたかと思えば、続く外国人マフィアと主人公の絡みのシーンでは言葉が通じないもどかしさで緊張感を高める

こういう映画やドラマにありきたりなシチュエーションをキチンと緩急つけられて楽しませてもらえると嬉しくなります

物語の内容についても、この人らしい、人間の能力の限界を推し進めるグランブルー的なところがあり、観る人の興味を自然に引っ張る
割と短い映画なのに観終わってみるとちゃんとお腹いっぱいで食い足りないとこがない、というのはやはり職人として優秀だってことだと思います


posted by となーす at 09:08| Comment(0) | TrackBack(0) | その他外国映画(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月07日

息もできない



この映画に主人公は2人いる。

この主人公2人が互いに心を通わせていくのだが、
その距離感が素晴らしい

この2人の間の距離感を正確に描くことに
並々ならぬ情熱をこめている、
そこにこの作家の品格を感じる

「悪人」と違って
この2人の間には最初から恋愛感情はないので
相手に『なんで話してくれないの?』などと
詰めよったりはしないのである。


終盤近くにある
漢江の河川敷のシーンが号泣ポイントだが、
この距離感を保ったままなのでまさに『共感』というより『共振』

この、女子高生役の女優さんの「ガマンしてガマンして他の人にずっと遅れてようやく涙をこぼす」芝居が絶品で、
彼女が泣くタイミングで観ているこちらも気持ち良く泣ける、という具合

このところ、似たような映画を3本立て続けに観たが
(「悪人」「その土曜日、7時58分」)
どの作品も根っこのところで描いているものは同じ、なのだが、この順番で観ると「この息もできない」という映画だけが『資本主義がもたらした“断絶”』の問題に
解答を提示して見せている。

“職業”映画監督と
“生涯でこれ一本だけ”映画監督の
これが違い、と言えるのではないだろうか

こういう人こそ映画を作る資格があると思う
てゆうか、こういうのだけつまんで観るのが
私個人としては理想。






ラベル:息もできない
posted by となーす at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | その他外国映画(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月20日

アレックス



なんだか最近、暴力的な映画ばかり観る羽目になっている。
別に仕事で観ているわけじゃなし、
すきなもんを借りて観ればいいじゃないか、なのだが、

映画のDVDについてだけは
直観的にただ『観たい』と思ったものを借りて観ることにしているので、
「最近の映画はむかしとちごうて暴力的なのが多いのう」
ということなのではなく、
私のチョイスが暴力的な傾向になっているだけなのだ。
しかし私は本来暴力的な人間ではないので、観る映画が暴力的なものに偏っているとしたらそれは、何かの宿命のようなものによって“選ばされている”のだろう。
そうだ。そうに違いない。

私の意志とは関係なく選ばされているのだ。

さて、
そのような“導き”に従って借りて観たDVDの中には
観て良かったものもあればそうでないものももちろんあるが、
必ずしも観た映画すべてについて、こんなふうに文章を書いているわけではない。

観たあと何か書きたくなったら書く。
ここに文章を載せていなくても観ている映画はある。
だから結構な数『暴力的』名映画を実は観ている。
でも格別、書きたい衝動が湧かなかったものが多いのである。

たとえばこの間はスターウォーズのエビソード2と3を観た。
シリーズの他は観ていたからこの2本だけだ。
しかし観たけど、誰かにこの映画のことを話したい、という気は起こらなかったのである。
世界に熱狂的なファンを持つこのシリーズのことだから、よく観れば私の知らないご馳走がひょっとしたら本当は眠っているのではないか、と思いながら観たもんだから
観る前からだいぶハードルは上がってはいるのだが、
率直に言ってスターウォーズの世界から私は
『ワクワク』する対象を見い出すことが出来なかった
「スター・ウォーズ」が何故、『暴力的』なのかって?
だって「ウォー(戦争)ズ」じゃん




ま、それはそれとして、
この『アレックス』だ。

この映画は、逆に巷間伝わっている評価以上に見どころのたくさんある、素直に“良作″であった。

リアルな暴力描写で世間の関心を買う。というのは、サム・ペキンパーのころから映画の世界では常套手段だが、この映画も、約9分間に及ぶモニカ・ベルッチのレイプ・シーンがある、ということと“やり過ぎで不快極まりない残虐な暴力シーン”があることを映画の“売り”にしている。

実際、レイプシーンも暴力シーンも不快極まりなく出来上がっている。

しかし、この映画は、そのセールスポイントである2シーンのインパクトを高める努力をしつつ、それ以外のシーンも大変クオリティが高いのである。


これはあまり他の批評でとりあげられていないのだが、
この映画、
ワンシーンワンカット、長回しがとても多い映画で、
件のレイプシーンも、行為の最中はずっと切れ目のない長回しで、カメラを固定したまま撮られている。

このシーンで
あまりにも長く男の俳優に組みしだかれて、乳とか触られているモニカ・べルッチの姿を見ているだけでこちらはいたたまれなくなる。
しかし、どうやら、そういう感情を観ている側に起こさせることこそ、この長回しの狙いであるようなのだ。


さらにこの映画は起こった事件を逆の時間軸で並べていくという凝った構成を採用している。


レイプ犯を無残に殺して逮捕される主人公を含む男2人のシーン。

レイプ犯がいつもいる地下バーに潜入する2人。

タクシーを運転している主人公ともう一人の男。

タクシーの運転手の中国人をタクシーから引きずり降ろすシーン。

といった具合に。

つまり、
映画を観ている側には、この次に何のシーンが来るか、わかっている。
(この構成のおかげで、観客はこの映画への関心が途切れることなく集中して物語を追うことができる。これはなかなかの発明である)
だから、このレイプのシーンでも、
ここでレイプされるのだ、ということがわかっている状態でシーンが始まるわけだ。
しかしだからこそレイプそのものを描写する、ということから作り手は『逃げられない』ということを意味する。
ガン、と殴られて気絶してブラックアウト、みたいな手をこの映画の作り手は使えないのである。
そういう手を使って「描写」から逃げるとその途端、この映画は観客からの支持を決定的に失う、ということになる。
この辺りの緊張感は物作りの醍醐味である。

さあ、実際はどうか、
この映画は9分の長回しで、いや、というほどレイプを見せつけるのである。

私がこの映画を評価するのは、
まさにここからで、
この『逃げない描写』でレイプシーンをたっぷり見せられたあと、
観客はどうなるかというと、
これ以降ごくごく自然のなりゆきとして、この被害者の女性の喜怒哀楽に注目するようになるのである。。

このシーンの前までの法則にしたがい、
レイプ前の生活がこの後描かれて行くのだが、
彼女が屈託なく笑う姿や、幸せな顔をしていると、ホッとする。
それをレイプシーンと同じ長回しで撮影し、
俳優たちにアドリブ0Kで演じさせているのである。

まあ、
後半の幸せ感の描写は素晴らしい。
ぜひ観ていただきたい。
カットの切れ目がないことにしばらく気がつかなかった。それほど、俳優の動きや感情とカメラが一体化しているのである。

この映画は、時間の進行を逆にする、という凝った構成を採用している分、物語自体は全く複雑ではない。
だからシーンごとに何を表現したいのか、がハッキリわかる。
ゆえに、スタッフとキャストの心が一つになれたのだろう。

そこでどんな効果が現われたのか、というと、
人生における場面場面がもたらす感情、
憎しみから悲しみ、幸福感まで、
それらの感情を映画を観ている観客と共有することが可能になった。


さらに
この順序で見せられているおかげで登場人物たちよりちょっとだけ、この「幸せ感」がかけがえのないもののように思えてしまうのだ。

そう考えて観ると
なるほどこれはフランス映画なんだな、と思った。
この時間感覚、これはフランス映画ならではだ。

それとやはり観ていて思ったのは、
きちんと逃げずに描写をする、ということの力である。

この
「逃げずに描写する」
が出来ていれば、
次のシーンにも
客はしっかりついて来る。
そういうことを改めて教わった気がした。

そのへんが、『残る作品』『残らない作品』を分ける境目なんだろうという気がした。



追記
ちなみに『アレックス』のDVDは現在廃盤になっているみたいだ

おおーい
『残って』ねーーじゃん!

















ラベル:アレックス
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2010年07月27日

「母なる証明」




母なる証明

この作品を撮ったのはボンジュノと言って
「殺人の追憶」や「グエムル」を撮った人で
その2本が優れた作品であったので
公開当時も劇場に観に行きたかったのだが
どうしても時間が取れず、見逃していた作品。



いやー
傑作でした。

これは
是非多くの人に観ていただきたい映画です。

作品の詳しい内容については
ほかのブログやHPで調べていただくとして(笑)

私のこのブログは
とにかく頭に思いついたことをつらつら
ネタばれなど気にせず
書きなぐるためのもの

読みたい人だけ読んでください。
この映画を実際に観た人にしか分からないことばかり
かもしれませんので

よく
映画を観終わった後、
誰かに無性に話したくなるじゃないですか

あそこがよかった、とか
あそこは、どうだ、とか


無性に話したくなるような映画はとにかく良い映画なんですよね

この「母なる証明」はそんな映画。



ラスト近く
主人公のおばさんが
“真犯人”として逮捕された青年に面会に行き、
「あなた、お母さんはいるの?」
と尋ねるシーンが本当に素晴らしい


似たようなシチュエーションの
黒澤明の「天国と地獄」のラストシーン
あれを数段上回っている。


いやはや凄いですよ


この人は凄い



映画のテーマは「殺人の追憶」のときと
ほぼ同じで
経済成長とともに人の心が変わりつつある社会の中で
そこから取り残される側にいる人の「こころ」や「気持ち」
なのだが、

「殺人の追憶」のなかで流れるあの印象的な曲
あの、なんとも“母性”を感じさせる曲、
あれが今回はまさしく“母”という実態として映画の中に登場した、
という感じだ。

しかし
母性とはなんだろうか

一言で言うなら
この映画は
女のなかにある“母性”を徹底的に映画という文法で
定義しようと試みた作品である。



その定義が素晴らしい。


殺人の容疑をかけられた息子のため
主人公の母は、息子の無実を証明するため
殺人事件を独自に捜査し始める。

という
ありがちな発端から
「母」はとんでもないところまで歩を進める


しかしそこまでなら大したことはない
息子のために社会規範を逸脱する、
そんな母は 偉大である
という結論に着地しないのがこの映画の大人なところで


きっちりと罪は罪として
逃れられぬ「殺人の記憶」をこの女に刻みつける。

さらに
殺人事件の捜査を通じて
現代を男“性”として生きることの
困難さや哀しみまで
その身に引き受けてしまうのである。
なぜなら
“母性”が共振してしまう、からだ。

これが
インテリの女ならともかく
普通のおばさんであるところが
この映画のミソなのである。


女ゆえに持ってしまった“母性”に振り回され
逃れられぬ「罪の記憶」を手にしてしまった
小さな母は
自己分析やカウンセリングを武器に
自分の背負ってしまった“業”と立ち向かうことなどしない

彼女が手にするのは
なんと
鍼、なのである




凄い映画だよなー

しまった
ぜーんぶしゃべっちまった(笑)





















ラベル:母なる証明
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2007年08月08日

となーす映画評「サイレンサー」



老境に達したある女スナイパーの物語。
続きを読む
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2007年07月28日

となーす映画評「私の頭の中の消しゴム」

いやー良かった
いやー凄かった


ラストの着地が素晴らしい!続きを読む
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2007年07月11日

となーす映画評「殺人の追憶」

『グエムル』で興味が湧いたので
この監督の映画をちょっと追っかけてみる。



やー、これも良いですよ。続きを読む
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2007年07月06日

となーす映画評「007カジノロワイヤル」

シリーズ史上最も凶暴なボンド。
かなりインパクトがあります。


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posted by となーす at 06:40| Comment(0) | TrackBack(0) | その他外国映画(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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