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2017年02月12日

スノーデン

オリバーストーンの映画を観るのが久しぶり。
この人の映画は大人になってからもう一回おさらいしたくなる。
主に実在の人物を描いた作品をもう一回全部見直したい、と思っていた。
「ブッシュ」とか「ニクソン」とか。

さて「スノーデン」だが、正直なところ総じて恋愛パートが多すぎて冗長な印象を持った。
ストーンの国家憎し、の反動でスノーデンが可愛くて仕方ない、みたいな映画になっている。
知らなかった情報も小出しに出てくるので恋愛以外のとこをもっと掘ってよ、とストレスが溜まった。

「市民ケーン」があまり好きでない私は、男女の痴話ゲンカを映画で3分の1以上も見せられると損した気分になる。
構造上、女のパートナーを介して観客が主人公の心の声を聴く、というのもわからんではないが、実在の人物を描くと「市民ケーン」もどきばかり、というのもどうかと思う。

映画の導入に使われてるインタビュのほうがドキュメンタリー作品になってるそうなのでそっちを観ようか





2017年02月04日

10クローバーフィールド・レーン

非常に評価の高い前作は未見。

ただ大体のストーリーはオチまで含め、知っている。
で、今作は特に予備知識なしで見始めた。

まあ、大体どういうオチになるか、は全体の3分の1くらい観た人には想像がつくだろう。ただ、それでもちゃんと面白い。

(以下ネタバレします。)

シェルターで擬似家族が作られ、そして崩壊するまでを順を追って、ドラマにしている。
ただ、その脱出方法やディテールに新味が特にあるわけではない。テンポ重視で飽きさせない、の方に重点が置かれている。
外が危険、を巡る話の後に内側の不信を煽るやり方も手際がいい。


やはり、一番良かったのは、あんなに憎しみを込めてオヤジを殺してオヤジの丹精込められたシェルターを完膚なきまで破壊しておきながら、地上に出た主人公の30代女子が、もっとヤバい敵と対峙するや、今まで軟禁されていた場所を恋しく感じる場面。
家族が大嫌いで実家を出た娘の不安、という一般的な感覚と重なり、
女子の自立、がテーマだったのかと気付かされる。

しかも現代を生きる女子の自立の過酷さを宇宙人襲来に例えて表現しているのが面白い。

構成が知性を感じさせる良作でした。





posted by となーす at 06:28| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ映画(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月02日

ジャッジ・ドレッド

シルベスタ・スタローン主演の旧作の方は観ているが、あまり記憶にない。あるいは観始めて途中で辞めたかも。というのは、このリブート版のオープニングは結構、旧作のルックに似ていて、ああ、こういう感じで旧作も始まったよなー、となんとなく思い出したからだ。よく考えると、シルベスタ主演の「コブラ」っぽくもある。
リブートと言いながら、先行者の功績を引き継ぐ形で始まる、なかなか好ましい滑り出し。
それでも、開巻アクションの中に、超スローモーションを挟む独特のテンポを作り出して、「お、これは!」と注意を喚起する。
昔ウィリアムフリードキンがいくつかの作品でやっていたように、カーチェイスなら車の動きをただ編集を短く繋げるのではなく、それまで観たことのないようなカメラワークで新味を出す、というような工夫があると、映画の満足度は上がるものだ。それを改めて気付かせてくれた。

それと、この主演二人のマッチングが素晴らしい。
およそ、社会人の男として、新人の若い女子を連れて歩くことくらい楽しいことはない。
しかも悪役が元風俗嬢のギャングのボス。
こういう道具立てが実に上手い。
新人女子の無防備感が映画の興味を引っ張る。
大人やなー、映画が。笑

しかもジャッジドレッドの顔が終始見えない、というのも効いていて、今時の観客には逆に感情移入しやすいことになっている。
「但しイケメンに限る」という言葉が端的に示すように、どんな恋愛模様もイケメン俳優が演じるだけで観客は自分との距離を感じてライドしにくい、今の観客はそうなっている。
キンプリの応援上映で女子の顔が真っ黒にされているのは、その辺が理由になっているのだが、ドレッドはその男子版と言っていい。

これだけ男子の観客のニーズに寄り添った作品は観たことない。
と思ってネットで調べてみると、やはり高評価だった。

とはいえ、これだけ道具立てが完璧なのに残念なことに観終わってみると、印象が薄い。
ビルを舞台のアクションだと「ダイハード」がある。観ている間はやはりあれと比較してしまう。せっかくの道具立てを割とあっさり解決する展開が多く、勿体無い勿体無い、と思っている内に映画が終わるのである。

途中で主人公二人をネチネチ追い詰める展開があると、カタルシスも増したのに、そういう方面の興味はあまりないようなのだ。
惜しい。






posted by となーす at 17:26| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ映画(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月27日

ディストラクション・ベイビーズ

カットが長い映画が出てきてうれしい。
北野武の「龍三と七人の子分」のときに少し書いたが、役者のテンポでなく、観客にとって気持ちいいテレビドラマ的な短いカッティングでベテラン俳優のセリフをバシバシ切って間を詰めて行くやり方は映画にとって命とりだと思う。なにを観ても漫才師的なボケ突っ込みが映像表現を侵食している。


今作の主人公はケンカが強いのではない。
ただ体が頑丈なだけだ。
自分の頑丈さを試したいだけのために相手構わずケンカを売る。
体が頑丈、を表現するのに、カットを割らずに延々と取っ組み合いを撮っている、意味がある長回しだ。

複数の相手に殴られたあと、立ち上がる、下半身の強さがその度印象づけられる。

今作は、その頑丈さだけを映画の真ん中に据えて、揺るがない。

今の若者も社会も荒れ果て切っているのが今作を見るとよく分かる。
主人公たちが車中で空間を共にしていながら、コミュニケーションがまるで取れない様が描かれるが、このくだりだけで社会がとうの昔に機能不全に陥っているのが分かる。

機能不全に陥って久しい社会で、若者たちは、人生の青写真を描くことも出来ず、刹那的な快楽を行動原理にする。
ま、ここまでは映画のある種得意分野で、若者たちの刹那的快楽を描いた作品などこれまで山のように作られてきた。

この映画は、若者の財産は、その壊れ難い肉体である、と特定しているところが特別なのである。

この監督は、若いのにジャンル的な物語の閉じ方をせず、真っ当に信念をぶつけて来た。
前回の三池ではないが、昨今の日本の映画監督が陥りがちな、スタッフを食わせるためにマンガ原作を毎年作り続けるサバイバル術などを身に付けずに、このまま映画を撮り続けて欲しい。
去年観ていたら、ベスト3に入れていたと思う。それほど個性的で他で見られないメッセージを発する映画だった。






posted by となーす at 17:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本映画(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

テラ・フォーマーズ

なんとなく見始めたら、結果最後まで観てしまった。三池作品の8割方は途中で観るのを辞める私なので割と面白い方だったのだと思う。

終盤の注射打ちながらの戦闘シーンは面白く観れた。ケンカは祭りだ。シャブでもっともっと上に行こうぜ、的なノリが、少年漫画の強さのインフレーションと、意外なマッチングを果たしていた。

Vシネマからキャリアのスタートを切った三池の目には原作漫画の本質がこのように見えたのだろう。
原作漫画にさして思い入れもない私には割とよく出来た映像化に見えたのだが、原作ファンには、身も蓋なく見えたのかもしれない。

しかしまあ、この人の映画は辛辣だなあ。
割とベテランの俳優たちが、ハッキリ言って“おバカな”衣装とメイクで真面目な芝居をやっているのを正攻法で撮っているんだから。
『スキヤキウェスタン』のころは、照れ隠しでギャグを入れてたのに、今作では照れの要素がない。
それ故、画面上で起こっているコントもどきの異常さが剥き出しでこちらに現れてくる。
芸能人という因果な商売を、今作にならって言えば“虫”のように見つめる視点がある。
大量に映画を世に送り出してきた彼の今の心境か、と思うと味わい深いものがある。

この映画で芸能人に憧れるちびっ子などいないと思う。
そういうことを確信犯的にこっそり匂わせて、気づかせようとしている気がする。
まるでヤクザがカタギの子供に、『こっちにくるな』、と目線だけで示しているような。

そういう気分で撮られた作品は、必ず観客に伝わる。上手くバレないようにやってはいるのだろうが、興行で失敗したのだからバレている、ということだ。当然だろう。
そろそろこの人引退するんじゃないだろうか





posted by となーす at 16:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本映画(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月24日

ハドソン川の奇跡

すごく何年ぶりかで新文芸坐に行った
『ハドソン川の奇跡』と『トランボ』の2本立て興行。
2本立て興行そのものもだいぶ久しぶりだ。
昔の文芸座で観た『ミッドナイトラン』とか忘れられない。

さて『ハドソン川の奇跡』だが、クリスマスシーズンとかに夫婦で観るには最高!という感じの軽さが実に良かった。

実際、前半でトムハンクス演じる主人公が見る幻影などに首を傾げる部分もなくはないのだが、映画全体を覆った軽さが、深く追求する気にさせない。

特にいいのは話の締め括りで、割とどんな職業にもありがちな“そんなに言うならお前がやれ”的な、話に着地するところ。
大きな事件を小さく着地させてシルバー世代から若者まで共感させる、映画自体のセンスがいい、としか言いようがない


2本立て興行でこれの後に観たのが『トランボ』で、これは最初の20分くらい観たところで退席した。
『トランボ』には悪いがイーストウッド映画の後だとだいぶ見劣りする。主演男優に賞を取らせたいための企画なんだかわからないが、1940年代の実在のスターを登場させておきながら、演じる俳優たちに愛情がない。ジョン・ウェインより、『ブレイキングバッド』の主演男優の方が現代では有名なんだろうか?

ま、そのうちアマゾンプライムとかで続きを観るかもしれないけど、今のところ、この映画の続きは全く気にならない。

そんなわけで久しぶりの2本立て興行を堪能致しました笑






posted by となーす at 16:54| Comment(0) | TrackBack(0) | クリント・イーストウッド作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月02日

ドント・ブリーズ

経済が崩壊したデトロイトに住む若者たちが、盲目の退役軍人の家に強盗に入る話。

新年あけましておめでとうございます
年明け一発目は、公開館数が少ないのに連日満席で昨年観に行けなかった、今作を元旦に観に行きました。

このブログはすでに観た人向けです。
ネタばれにうるさい方に向けて書いておりませんので、よろしくね笑

主人公の女の子も、悪役となる退役軍人も
世の中が不公平だ、と感じている。
その二人が対決する物語の構図は素晴らしいのだが、結構前半で退役軍人の嗅覚の設定が曖昧なのが気になってのめり込めなかった。
女の子があんなに近くにいたら香水の匂いで気づくだろ、と思ってたら、割りとすぐ後に靴の匂いに気づいて、一箇所にまとめて脱いである靴の数で族の人数を軍人が知るシーンがある。
鼻をティッシュでひとかみしてからクンクンやる、とか笑、ひと芝居あったら良かった。

デトロイトと言えば近作でイーストウッドの『グラントリノ』がある、あの作品でイーストウッドは退役軍人ではないが、ジジイと若者たちと言う意味で、今作と似た構図を持っている。
だから、物語の前段で強盗たちより軍人に共感する向きも観客の年齢によってはあるだろう。
どちらに“理”があるか、のシーソーが今作の前半にはあって、そこが堪らなく面白かったのだが
その均衡が中盤崩れて、退役軍人は明らかな“悪役”になってしまう。

黒澤清の『クリーピー』と似たガッカリ感。物語の風呂敷を畳むためにジャンル映画の様式を纏う。その懐事情が読めてしまった。
最後までサスペンスで行ってほしかった。
このブログで以前紹介した『不意打ち』とか。

でも、あそこは良かった笑
レイプよりおぞましい、あれ。
あれは発明ですね



posted by となーす at 13:48| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ映画(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月28日

となーすの2016年ベスト

最初に申し上げるけど、ベストを選ぶにあたって、記事に取り上げていない作品も挙げています。


1、この世界の片隅に
2、コップ・カー
3、死霊館 エンフィールド事件
4、ヒメアノ〜ル
5、君の名は


今年最大の事件は『君の名は』大大ヒット、であることは誰もが認めるところで、『君の名は』がなければ『この世界の片隅に』のヒットもなかった、『君の名は』はテレビから観客を引き剥がして映画の興行に大動員した、これは快挙と言わずしてなんだろう。
こういう作品に完成度がどうの、言ってる方が馬鹿っぽい。“興行”として優れていたのだ。
今の大衆が欲しているものが“赤い糸”である、と見つけたことが凄いのだ。

私の一番のお気に入りワンはいつも通り、死霊館一作目と描いているメッセージはまるで変わらない、ブレがない。記事として作品の感想を書かなかったのは、彼の映画に作品別の個性はあまりないからだ。ワン映画を観に行く。今回も暖かく泣かされた。それだけ。それだけで最高の評価だ。
次回作はDCコミックの映画化だそうだが、これまで通りのワンであってくれれば何でもいい。

『コップ・カー』には、道徳の教科書に使えそうなほど、寓話な佇まいがある。そこが素晴らしい。
イソップ童話とか日本昔ばなしと、パルプフィクションの見事な融合と言おうか。

同じような風合いは『ヒメアノ〜ル』のラストにもある。ラストにだけ、というのがまたこの作品の凄みでもあった。

『この世界の片隅に』は観た人の心に社会への積極的参加を促す。ある人はこの作品を他人にも観るよう勧める、ある人は政治的活動に目覚める。
映画を観たあとは、観る前の自分にはもう戻れない、という類の作品で、この先の映画群に大きな影響を与え続けるだろう。
生涯のベスト、として挙げるひとがこの先何人も現れる作品をリアルタイムで観ないことほど愚かなことはない。







posted by となーす at 10:37| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月13日

ヒメアノ〜ル

久々の更新です
格差社会の負の部分を体現した殺人鬼を演じる森田剛が素晴らしい。

以下ネタバレ



文字で読むと、何というベタな締めくくり!なラストなのだが、セリフはベタなのに森田剛の役の人物への愛情が感じられて不覚にも泣かされてしまった。
こういうのを豊かな芝居と、いう。

今年はいい映画がいっぱいあったんだねー

posted by となーす at 07:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本映画(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月24日

Zアイランド

netflixで観ました
明け方からぼんやり見始めたのに、結果、最後まで観るのをやめられなかった笑

いやいや、おもしろかったすよ
『アイアムアヒーロー』の100倍はおもしろかったす

これだからネットの感想は当てになんねー笑

ここからネタバレありまくり。

ラストがいい。
漁船から大音量で流れてくる湘南の風の曲に向かってゾンビが海に飛び込む
これ、最高に皮肉が決まってんじゃん笑
『ショーンオブザデッド』以来の会心のオチじゃないすか笑

ゾンビ映画が意外なことに品川のパーソナリティと相性がバッチリで実に味わい深い一作になっていた。
芸能人生において、完全に息の根が止まったかと思われたタレントに復活されて寝首をかかれる、とか、モブに襲いかかられる、とか、ゾンビ映画にたとえられるような思いをしたのかもしれない、そういう実感が薄ーく乗っている。

確かに出来の悪いコントまがいのシーンはある。
なかでも、あの、悪評高い、電話のシーンなどはネットでの評判通りのひどさで、観ているこちらの方が恥ずかしくなってくるほどだが、
しかし、特筆すべきは、俳優たちの楽しげな演技で、品川ヒロシは俳優たちになにをやらせると輝くか、研究しているのがよくわかる。
こういう映画監督は俳優から愛されるものだ。
毎シーン毎シーンいちいち細かいセリフギャグが入るのもノイズっちゃーノイズだが、俳優たちと品川のじゃれ合いだと割り切って観ればいいだろ。



“ゾンビ”という呼称を使うか使わないかなど、観る側からすると割りとどうでもいい話なのに、生真面目にリアリティに沿おうとして、こだわって逆に見苦しくなっている。もう一人手練れのシナリオライターがいて、リライトするなどすれば良かった。


脚本を誰かと共同で書き、もう少し叩いてから撮影に入ってくれたら、信頼に足るフィルムメーカーにこの人はなる、と思う。

鶴見辰吾の家族の顛末は、お世辞抜きに素晴らしかった。多いに泣かされましたよ。
回想シーンでの子役が実にいい表情だったし。

品川ヒロシが憧れるタランティーノには、私はいい加減愛想が尽きてるが、品川ヒロシの映画は伸び代がまだまだある。
子役の演出の上手さなど片鱗はそこここに見えているじゃないすか。

子役を前面に押し出したエンターテイメントなど手掛けたら大化けするかも。


今後は擁護派に回らせていただく。




posted by となーす at 10:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本映画(おすすめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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